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NEWS | お知らせ

2024年
12月15日
【年 会】
2025年春季年会【開催日決定のお知らせ】
2025年の春季年会は、6月5日(木)〜6月6日(金)の2日間で開催します。
各種受付の開始は2月下旬を予定しています。詳細は年会のページをご確認ください。
2024年
08月07日
【年 会】
2024年秋季年会(サイト更新)のお知らせ
2024年秋季年会のWebページが新しくなりました。
各種申し込みが開始されています。
2024年
06月06日
【年 会】
2024春季年会【要旨と予稿集】
2024春期年会の参加者の皆様は、年会プログラムページから発表の要旨と予稿集にアクセスできます。 参加者宛に事前通知されたアカウントとパスワードにてアクセスお願いします。
2024年
04月13日
【年 会】
2024年春季年会【プログラム公開のお知らせ】
2024年春季年会のプログラムを公開しました。発表者の方は発表番号を確認の上、要旨の作成をお願いします。
2024年
03月04日
【年 会】
2024年秋季年会のお知らせ
2024年秋季年会:Webページがオープンしました。
開催日と会場情報が記載されています。
(現在受付しているのは春季年会ですのでご注意ください。)

以前のお知らせはこちら

Foreword from SCCJ

JCCJ巻頭言アーカイブ
計算化学アプリケーションによる生命・物質科学の探求

豊橋技術科学大学大学院工学研究科 後藤 仁志

冬風が身に凍みる季節になってまいりました.会員の皆様にはお元気でご活躍のことと思います.

さて,私こと,2月の役員会にて長嶋雲兵先生の後任として日本コンピュータ化学会事務局長に選任され,5月の総会にて承認されました.本来ならもっと早くにご挨拶しなければならないところ,事務局長としては全くの未熟さ故に,この一年は事務局長見習いとして活動してまいりました.最近になってようやくその責任を自覚し,本学会の運営に取り組む覚悟もできて来たところです.改めまして,微力ではありますが,会務に誠心努力する所存です.また,9月の役員会では,長嶋先生には引き続き副会長として,林先生(兵庫県立大)と神部先生(江戸川大)には新理事として,学会運営にご協力いただけることになりましたので,あわせてお知らせいたします.

日本コンピュータ化学会は,その前身となる二つの学会の歴史から,オープンフリーな化学ソフトウェアの開発や普及の支援を主な目的の一つとして活動してまいりました.今後もその基本方針は変わらないのですが,計算機も随分と安く速くなり,インターネットも広く一般に普及し,そして,入手できるコンピュータ化学のアプリケーションも急速に増えています.また,それらの適用範囲は広く,利用者の専門分野も多岐に渡っています.このような今の時代に適した本学会の活動テーマを新たに考え,実行に移していかなければいけないと強く感じています.今後とも,本学会会員の皆様には一層のご協力をお願い申し上げつつ,略記ながらご挨拶にかえさせていただきます.

さて,事務局長としての初仕事というわけでありませんが,今号の本学会論文誌JCCJ(Journal of Computer Chemistry, Japan)では,「計算化学アプリケーションによる生命・物質科学の探求」と題して特集を組んでみました.その一部は早期公開されておりますので,すでにご覧になった方も多いかと思います.全6編の特集論文に目を通してみると,そこでは小さな分子から生体高分子,あるいはイオン性液体や分子性結晶などをターゲットに,様々な計算化学手法を駆使して反応性や物性が議論されています.本会の会告Vol.7-No.1の巻頭言で太刀川先生も触れられていましたが,コンピュータ化学を適用できる研究分野はとっても広いことに改めて気づかされます.このことは,本学会に参加されている方々の専門分野が多岐に渡り,研究内容の相互理解を難しくしていると言えます.そこで本特集では,審査の過程において通常よりも踏み込んで研究背景を解説していただけるよう,査読担当者と著者にお願いをいたしました.いつもは計算化学や情報処理に関する理論的,技術的な内容が多いJCCJと比べると少々趣を異にして,個人的には,総合化学誌の雰囲気さえ感じております.『自分の専門分野と違うから』などとおっしゃらずに,ぜひ,これら特集論文を楽しんでくださいませ.

また,本特集では,市販されている計算化学アプリに少しこだわってみました.というのも,最近,学際的な研究分野に関わることが多いのですが,時々,「化学が足りない」と感じることがあります.それは「分子レベルでメカニズムを明らかにしないと気持ち悪い」という化学者の性分のせいなのですが,一方で「化学が持っている緻密さこそが,今の科学が注目する多くのことを解く鍵なのだ」と確信しているからなのです.その意味において,コンピュータ化学はバイオやナノ,あるいは地球や宇宙といった広い『科学』に対して緻密な『化学』を提供することができるし,実際のところ,その役割を最前線で担っているのは,市販されている計算化学アプリだと思うのです.もちろん,理論と計算技術の両面で,まだまだ研究も開発も続けていく必要があります.けど,計算機の扱いに戸惑うこと少なく,理論化学で暗黙的に担保された電子と原子と分子で,生命・物質科学を探求できる時代になってきたわけです.その意味では,既にコンピュータ化学を使いこなせる我々こそが,実は『化学』で『科学』できる一番近いところにいるのだと思いませんか?"Yes, We Can !"本特集号がそんなきっかけになれば幸いです.

結びになりますが,本特集を組むにあたり平素より本学会にご協力いただいている市販アプリ販売会社のご担当者にいろいろとご尽力いただきました.また,著者や査読者の方々には,通常のJCCJの審査よりもご負担をおかけいたしました.この場をお借りして,ご協力いただいた皆様方に深く感謝いたします.

追伸:

本号と同じ頃に発行されます日本化学会情報化学部会誌CICSJ Bulletin(Vol.26 No.4)では,「計算化学アプリケーション最前線」と題して,市販アプリの教育事例,研究事例,および新機能を紹介する特集を組んでいます.そちらも私が担当したので,結果的に本特集と(勝手に)コラボさせたようになっています.J-Stageにて公開されておりますので,あわせてご覧くださいませ.

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