(Received: July 17, 2000; Accepted for publication: September 5, 2000; Published on Web: November 10, 2000)
茶カテキン類として知られているC-3位にガレート基をもつ(−)−エピカテキンガレートおよび(−)−エピガロカテキンガレートは、ガレート基を持たない茶カテキン類と比べホルムアルデヒドのC-6位またはC-8位における求電子置換反応の反応性が高いことが知られている。そのため本研究では5種類の茶カテキンのヒドロキシメチル化反応について、半経験的分子軌道法による理論計算を行った。その結果、C-3位にガレート基を導入することによりHOMOの振幅が反応位置(C-6位またはC-8位)で増加するため、ヒドロキシメチル化の反応性が高まるという結果を得た。
茶カテキン類とホルムアルデヒドとの反応性を高めるためにはHOMOを不安定化し、かつ反応位置でのHOMOの振幅を増大させる大きなπ電子系を持つ官能基の導入が有効であることが示唆された。
キーワード: (+)-Catechin, (-)-Epicatechin, (-)-Epigallocatechin, (-)-Epicatechin gallate, (-)-Epigallocatechin gallate, Hydroxylmethylation, HOMO-LUMO energy