プログラムを立ち上げると、主画面上方に横1行に主メニュー(モード)が常時表示される。画面中央からマウスを画面上方に移動すると、それに応じて各モードが次々とカラー反転表示される。このような状態で、いずれかのモードをマウスクリックすると、メニュー(各作業)がプルダウン表示されるので、マウスをドラッグ移動しボタンを離すと、そこでメニューが選択される(図1)。
本ソフトでは7つの各モードに対して5つ前後のメニューが割り当てられているが、機能を拡張したい場合には簡単に増やすことができる。また、本ソフトの「各種罫線」やシクロヘキサン環メニューに採用されているような分岐(サブ)メニュー方式を簡単に採り入れることもできる。
このようなメニュー選択の他に、「グラフィック画面の消去」「作業終了」のような基本メニューは、ボタンとしてモードの横に常時表示しておき、いつでも実行できるようにしてある。また、マウス対応プログラムでしばしば使われる”ツールバー”方式のメニュー選択も試みに組み込んでみた。どのメニュー選択方式を採用するかは、作業の種類に応じてプログラマーが自由に選べばよい。
なお、これらのメニュー選択は、すべてテキスト画面内で行われるので、以下に述べるグラフック画面での作画を乱すようなことが全くない。
2. グラフック作業
本ソフトで実行可能なグラフィック作業(作画)は以下の通りである。
a. 図 形: 長方形、円、楕円、正多角形、シクロヘキサン環
b. 罫 線: 実線、破線、太実線、太破線、一点鎖線、二点鎖線、矢印線
c. 文 字: 英数字、分子式(サイズは全角、半角、1/4角のいずれか)
図形の作画の一般的手順は以下の通りである。図形メニューを選択すると、画面中央に適当なサイズの図形が表示される。そこで左ボタンを横方向にマウスをドラッグすると、移動距離に応じてサイズが変わり、縦方向にドラッグすると回転角が視覚的に変わる。途中、TABキーを押すと図形の表示位置が自由に変えられる。また、スペースバーを押すと同一図形がペーストされ、その図形のサイズ、位置等をさらに変えることができる。さいごにマウスの左ボタンを離すと図形の作画が完了する。
なお、正多角形、シクロヘキサン環の場合には、確定表示後、特定の頂点をクリックすると、頂点の位置を変えることができるので図形の変形が可能である。罫線の場合にも、ドラッグによって罫線の先端位置を自由に変えることができ、TABキーを押す度に折れ線表示されるので、任意の形の多角形を作画することにも利用できる。
文字は、キーボードから入力した任意の英数字または分子式(数字が自動的に下付きとなる)を、全角、半角、1/4角のいずれかのサイズでグラフィック表示する。表示位置はマウスで先指定することもできるが、表示直後にマウスをドラッグすることにより任意の位置に移動することができる。
3. 画像編集と画面操作
以下の画像編集および画面処理機能を備えている。
a. 移動、コピー
b. 消去、消しゴム、赤字解消
c. 表示色の変更、色塗り(ペイント)、タイリング、青色背景色への切り替え、
方眼表示背景への切り替え、網かけ、中間色
d. グラフィック画面の切り替え(A<->B)、画面間複写、スクロール
a. 移動、コピー
マウスで指定した範囲内のグラフィック図形を視覚的に画面上の任意の位置に移動、コピーする。
b. 消去、消しゴム、赤字解消
マウスで指定した範囲内のグラフィック図形を消去する機能、画像の一部分をなぞりながら消去する「消しゴム」、および時々画面に残るマウスの残像や赤色のカケラを消すための「赤字解消」機能がある。
c. 表示色の変更、色塗り(ペイント)、タイリング、青色背景色への切り替え、方眼表示背景への切り替え、網かけ、中間色
グラフィック表示する図形や罫線等の色をマウスによって8色の中から簡単に選択・指定することができる。閉じた図形の内側を塗りつぶすペイントの色は中間色を含め36色の中から選択できる。また、テキスト画面上に方眼物差しをルーラーとして常時表示させておくことができるのでグラフィック作業のレイアウトに便利である。また、種々のメッシュの網かけをマウスによって任意の範囲に指定表示することができる。
d. グラフィック画面の切り替え(A<->B)、画面間複写、スクロール
2つのグラフィック画面間の切り替え、および画面間複写がプルダウンメニューの中から選択するだけで簡単に実行される。また、「スクロール」を選択すると、マウスのクリックにより8ドットまたは32ドット幅で画面全体が上下左右方向へと移動させることができる。
4. ファイル選択
ファイルの種類(拡張子による分類)、ドライブ番号およびファイルの選択のすべてがマウス操作によって行える(図2)。具体的には、まずファイルの種類別の実行モードを選択し、続いてドライブ番号を指定した後にファイルを選択する。ファイル選択は、図2のようにウインドーに表示される10ケのファイルの中で、反転表示されているファイルをクリックすることにより実行される。ウインドー画面の右側のスクロールバーへマウスをもって行くと表示画面が上下に移動するので、10ケの枠を越えたファイルも選択できる。
同様な機能によってChem-Kit(化学構造式作画ソフト)の作画およびユーティリティーソフト[1]、あるいは任意のN88BASICで作成されたソフトへ簡単にジャンプ/移動することができる。
なお、画像データはモノクロまたはフルカラーのドットイメージデータか、図形用座標データのいずれかで保存し、ファイル選択メニューから呼び出すことにより簡単に再表示することができる。