スペクトル揺らぎを利用したプラスチックの近赤外反射スペクトルの特徴抽出
小野寺 光永, 長嶋 雲兵, 加藤 澄恵, 細矢 治夫, 後藤 成志, 天野 敏男, 田辺 和俊, 上坂 博亨
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1 はじめに
プラスチックは現代文明に不可欠な材料であり、今後もこの役割が軽減することはない。しかしながら資源の枯渇と環境保護等の理由から、これら工業材料、機能材料、日常生活に必要な製品、とくにポリマー製品のリサイクルは今後の地球規模の課題になっている。特に近年急速に増加しているプラスチック廃棄物は、集積すればゴミでしかないが、分類して同じものを集めることができれば、非常に有効な資源となる。さらに環境汚染防止にたいする社会的要請から、廃棄プラスチックボトルのリサイクルに関心が集まっている。すでに海外ではプラスチックボトルのリサイクルにかかる費用を販売価格に上乗せする事は常識となりつつあり、ごく最近では自動車に使われているプラスチックのリサイクルに関しても同様な動向にある。
先進国のみならず発展途上国においてもプラスチックのリサイクルに対する要請は増加の一途を辿っているにも拘らず、簡便にこれらを産業廃棄物あるいは生活廃棄物から分類する方法は生み出されていない。プラスチック廃棄物のリサイクルの有効性と経済性を高めるためには、プラスチック廃棄物を迅速にかつ非破壊的に分類することが重要である。その第一歩として簡便な手法で自動的に分別する技術の確立は焦眉の急であるにもかかわらず、使用者あるいは消費者の判断で分別するという極めて原始的な人的努力に頼っているのが現状である。こういった方法には明らかに限界があり、何らかの簡便で自動化された手法が待ち望まれている。
従来は比重差の小さいプラスチックなので、その機械的な分別は不可能であった。そのため田辺らはニューラルネットワーク[1 - 7]を用いてプラスチック廃棄物の近赤外反射スペクトルを用いた分類の可能性を報告している[6]。しかしながらニューラルネットワークによる近赤外反射スペクトルの分類には、標準サンプルの数に比べ未定係数の数が大きく、それを用いた分類は不定となる場合が多い。またEOR問題のように単純な問題でも学習によって学習点近傍以外は分類が不定となる領域が現れる事が知られている[8]。このようにスペクトルをAI的に学習させ分類させる装置を用いる場合、近赤外反射スペクトルの的確な分類には多くの学習を要することが知られているが、標準サンプル数が少ないなどの根源的な問題を有しているのが現状である。
本研究の目的は、簡便な光学的スペクトル情報を数値処理することにより材料の種類やその状態に対応した特性値をもとめ、その信号にしたがって容易に分類する手法を開発することにある。
我々は、プラスチックの近赤外反射スペクトルパターンの特徴抽出方法としてフーリエ変換結果に基づく1/f揺らぎ解析[9, 10]を用いて、プラスチックを迅速にかつ非破壊的に分類する方法を開発した。この方法を用いると18種類のプラスチックのサンプルを高速にかつ実用上十分な精度で分類可能であることが判った。反射スペクトルを分離に用いることの長所は、非接触、非破壊的かつ迅速にスペクトルの測定が可能であることにある。
本論文では、2節でサンプルに用いたプラスチックの近赤外反射スペクトルを示し、その1/f揺らぎの計算方法を説明する。3節で18種類の近赤外反射スペクトルサンプルが1/f揺らぎ解析により、どのように分類されるかを示す。そして、最後にまとめと今後の課題をのべる。
2 サンプルの近赤外反射スペクトルとスペクトルの1/f揺らぎの計算方法
一般に自然界の変動現象をフーリエ変換により周波数解析し、そのパワースペクトルを両対数プロットにして一定の傾きと切片を持つ直線に回帰することができる。この時、回帰直線の傾きが -1のときその変動は "1/f ゆらぎ" として知られ、様々な現象についての周波数解析の結果、この傾き-1のゆらぎは人間に心地よいゆらぎとされている[9, 10]。また、傾き0は白色雑音(ホワイトノイズ)に対応し、-2なら比例雑音(ブラウン運動)に対応する。こうして知られる" 1/f ゆらぎ" 解析を活用しスペクトルの特徴抽出を行う。
先ず任意の検体の吸収もしくは反射スペクトルを測定し、そのスペクトルを一次元の周期的データとみなしてフーリエ変換する。そこで得られたパワースペクトルの対数表示を直線回帰し、得られた回帰式の傾きをx座標、切片をy座標として、2次元にプロットすることにより、各サンプルの分離の様子をみる。
ここで、一次元時系列データg(t),t=0,…,N-1の離散的フーリエ変換は、式1で記述され、これにより各周波数のパワー|(G(f))|2が得られる。パワースペクトルp(f)は、パワーの値を縦軸にプロットしたグラフであり、ある周波数が含まれている割合を表す。
1次元の周波数解析を行って得られたパワーと周波数との間の関係は、自然界の数多くの現象において、式2のような曲線の式に回帰させることができることが経験的に知られている。式2の両辺の対数をとった式3は、傾きn、切片log kの直線の式である。傾きnは、元のデータの揺らぎの平均的な値と解釈することができる。
ここでいう任意の検体とは、固体、液体、あるいは気体のいずれの状態でも、反射もしくは吸収スペクトルの測定が可能なものなら良い。例えばプラスチック、ガラス、有機化合物あるいは無機化合物の粉体、金属、木材、セラミックス、または生体物質等があげられる。また、化学工学的プラントの反応槽内などにおける中間製品であってもよい。また同じ材料でも、例えばシリコンの固体、ゾル、ゲルいずれの状態であってもよい。
本研究で用いた18種類のプラスチックのサンプルとその主な実用的用途をTable 1に示す。
これらサンプルのスペクトル[11]をFigure 1からFigure 3に示す。図中の番号とプラスチックの対応はTable 1のとおりである。
No.1,2,3,4はポリスチレンとアクリルニトリルであり、非常に良く似たスペクトルを示す。No.5,6,7は、それぞれ低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンとCaCO$_3$を加えたポリエチレンである。No.5,6は良く似たスペクトルを示すが、CaCO$_3$を加えたポリエチレンであるNo.7は、No.5,6に比べ長波長部分の強度が強くなっており、No.5,6とは少し違うスペクトルになっている。No.8,9はポリプロピレンであり、それぞれ色つき、透明なものであるが、近赤外領域のスペクトルは、非常に良く似たものとなっている。No.14,15,17は、ヘテロ原子がポリマーの鎖の中に入っているプラスチックで、似たようなスペクトルを示している。No.18はPETであり、他のプラスチックとは異なるスペクトルを示す。
Table 1 サンプルとして用いたプラスチックFigures 1 - 6までの番号とプラスチックの対応は、本表のとおりである。
| ポリマー 略記号 | 名称 | 使用製品
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1 | PS(GP):スチロール(GP) | ポリスチレン | 弱電機器の部品, ハウジング
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2 | HIPS:スチロール(HI) | 耐衝撃性ポリスチレン | 弱電機器キャビネット, プラモデル
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3 | ABS | アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン | 自動車部品, 室内壁材, 電気部品
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4 | AS | アクリロニトリル-スチレン共重合体 | ジューサー, バッテリーケース, ペン軸
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5 | LDPE:低密度ポリエチレン | | 射出, 吹込成形品各種
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6 | HDPE:高密度ポリエチレン | | 歯車, パッキング, 機械部品
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7 | PE+CaCO3:(易処理樹脂)PE+CaCO3 | ポリエチレン | バケツ, 水・燃料タンク, ワッシャ
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8 | PP:ポリプロピレン | ポリプロピレン | 雑貨品, ヘルメット, ワッシャ
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9 | PP:(透明) | ポリプロピレン |
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10 | PVC:塩化ビニル | ポリ塩化ビニル | 室内壁, 床材, シート, 電線, パイプ
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11 | POM:ポリアセタール | ポリオキシメチレン(アセタール) | 歯車, 軸受
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12 | PA6.0:ポリアミド(6形) | ポリアミド(ナイロン)(エンプラ) | 自動車, 航空部品
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13 | PA6.6:ポリアミド(6,6形) | |
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14 | UF:ユリア | ユリア(尿素) | キャップ, 合板, 灰皿, 食器
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15 | MF:メラミン | メラミン-ホルムアルデヒド | 電気部品, 食器
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16 | PMMA:アクリル | ポリメタクリル酸メチル(アクリル) | コンタクトレンズ, 時計のガラス
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17 | Phenol: | フェノール |
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18 | PET | ポリエチレンテレフタレート | ボトル, 家電部品
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Figure 1. サンプルとして用いたプラスチックの近赤外スペクトル(番号の意味はTable 1を参照)
Figure 2. サンプルとして用いたプラスチックの近赤外スペクトル(番号の意味はTable 1を参照)
Figure 3. サンプルとして用いたプラスチックの近赤外スペクトル(番号の意味はTable 1を参照)
3 スペクトルの1/f揺らぎ解析によるプラスチックの分類結果
Figure 4にポリエチレンテレフタレート:PET(No.18)の2048点の離散近赤外反射スペクトルを、常法に従ってフーリエ変換することにより求めたパワースペクトルと回帰直線を示した。非常に良く直線回帰がなされていることが判る。
Figure 4. ポリエチレンテレフタレート:PET(No.18)の近赤外反射スペクトルのパワースペクトルとその直線回帰
Table 2には全てのサンプルの回帰直線の切片と傾きをしめした。左側は、全ての領域のパワースペクトルを直線回帰した結果であり、右側は、スペクトルの周波数が0以上0.5未満の低周波領域と2.0より大きい高周波領域を除いて(フィルタリングあり)直線回帰した結果である。
Table 2 パワースペクトルの回帰直線の傾きと切片
| フィルタリングなし | フィルタリングあり
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| 傾き | 切片 | 傾き | 切片
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1 | -1.857486 | -2.906957 | -2.448815 | -1.883658
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2 | -1.845410 | -2.668482 | -2.339912 | -1.810711
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3 | -1.838587 | -2.522264 | -2.275092 | -1.767444
|
4 | -1.830782 | -1.997189 | -2.179274 | -1.368850
|
5 | -2.274447 | -3.180722 | -3.923380 | -0.338530
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6 | -2.354959 | -3.010631 | -3.962755 | -0.186736
|
7 | -1.900116 | -3.165944 | -2.481415 | -2.174617
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8 | -1.958208 | -3.474782 | -2.829142 | -2.016479
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9 | -1.941738 | -3.439380 | -2.796182 | -2.010470
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10 | -1.979436 | -3.399963 | -2.943995 | -1.770782
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11 | -1.802742 | -2.256749 | -2.022955 | -1.834326
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12 | -1.813000 | -2.032729 | -2.048969 | -1.591066
|
13 | -1.815350 | -2.459259 | -2.062861 | -2.002466
|
14 | -1.807875 | -2.179875 | -1.984627 | -1.834990
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15 | -1.808612 | -2.117817 | -1.994980 | -1.757957
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16 | -1.793904 | -2.205018 | -2.031037 | -1.750427
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17 | -1.806232 | -2.091957 | -1.994407 | -1.732088
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18 | -1.848763 | -3.515820 | -2.336691 | -2.658731
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またFigure 5に、これらの回帰直線の傾きと切片をそれぞれx軸y軸としてプロットしたものを示した。+は、低波数領域と高波数領域を除いたものであり、除かないものは◇で示した。
低波数領域と高波数領域が除かれていない結果(◇)に比べ、低波数領域と高波数領域が除かれたもの(+)は各ポリマーの分離度が格段に良くなっていることがわかる。
Figure 5. 回帰直線の傾き(x軸)と切片(y軸)◇はフィルタリング無し、+はフィルタリングあり
Figure 6. 回帰直線の傾き(x軸)と切片(y軸)(フィルタリングあり)
スペクトルのベースとなる低波数領域とノイズである高波数領域を除いて直線回帰した結果(Figure 6)をみると、No.5, 6が他のプラスチックの点から遠く離れていることがわかる。両者は各々ポリエチレンであり、密度が違う。No.8, 9は、ポリプロピレンであり、透明なものがNo.9である。No.10は塩化ビニルであり、No.18はPETである。No.11〜17は含窒素系とアクリル、フェノールが混在して分類し難いが、ポリエチレン、塩化ビニルとその他という分類は、実用上充分である。それ以上詳細は述べないが、ほぼ似た性質のものはほぼ同じ場所に現れており、おおまかであるとはいえ、本方法により、簡便にして安価にプラスチック廃棄物等の材料、状態の分類が可能となることが示唆される。分離が不十分なものに対しては、分類を段階的に行えば良い。
4 まとめと今後の課題
本研究では、任意のプラスチック検体に対して、その吸収もしくは反射スペクトルを測定し、そのスペクトル情報をフーリエ変換し、対数表示されたパワースペクトルを直線回帰する。このようにして得られた回帰直線の切片と傾きを平面にプロットすることにより、それぞれの材料を分離することを試みた。
18種類のプラスチックの近赤外反射スペクトルを用いた実験では、適当なベース調整、ノイズ除去を行うことによって、それらが実用上十分に自動的に分類される事がわかった。本方法により、簡便で安価な分類法の設計が可能なことが示唆された。
近赤外反射スペクトルを用いる場合、暗い色のもののスペクトル測定が非常に難しくなるので、感度の悪いスペクトルの解析法を開発することが今後の課題である。また、ここで示したパワースペクトルの回帰直線の傾きと切片の傾向の物理化学的意味の解析も今後の課題である。
有益な議論をいただいた三菱化学の中村振一郎博士ならびに諌田克哉博士に深く感謝する。
参考文献
[ 1] Kazutoshi Tanabe, Tadao Tamura, Hiroyuki Uesaka, Neural Network System for the Identification of Infrared Spectra, Applied Spectroscopy, 46, 807 (1992).
[ 2] 田辺和俊, 田村禎夫, 上坂博亨, ニューラルネットワークによる赤外スペクトルの同定, Journal of Chemical Software, 1, 15 (1992).
[ 3] 田辺和俊, 田村禎夫, 上坂博亨, ニューラルネットワークによる赤外スペクトルからの各種官能基の推定, Chemistry Express, 8, 117 (1993).
[ 4] 田辺和俊 他, ニューラルネットワークによる近赤外スペクトルからの鉱物成分の同定, 分析化学, 43, 776 (1994).
[ 5] 田辺和俊,上坂博亨,福士真, ニューラルネットワークによる近赤外スペクトルからの食品成分の識別, 化学とソフトウエア, 17, 89 (1995).
[ 6] 田辺和俊 他, ニューラルネットワークによる近赤外スペクトルからのプラスチック廃棄物の分別, 化学とソフトウエア, 17, 127 (1995).
[ 7] 田辺和俊,上坂博亨,南幸男, ニューラルネットワークによる赤外スペクトルからの自動車塗料の鑑識分析, 化学とソフトウエア, 19, 3 (1997).
[ 8] 藤谷康子 他, 分子の構造活性相関解析のためのニューラルネットワークシミュレータ:Necoの開発 (3) -組み合わせモデルとパーセプトロンの性能比較-, J. Chem. Software, 4, 19-32 (1998).
[ 9] 武者利光, ゆらぎの世界 - 自然界のゆらぎの不思議, 講談社, 東京 (1980).
[ 10] 武者利光, ゆらぎの発想 - 1/fゆらぎの謎に迫る, NHK出版, 東京 (1994).
[ 11] 天野敏男, 私信
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