演題 波形データ処理のための
ヒューマン・プロセッサ・インターフェイス(Win95版)
発表者
(所属)
(神戸大)大野 隆,○梅野千佳,幡山文一
(大阪府立高専)戸田与志雄,(広島県立大)宮田 壽
連絡先 〒657 神戸市灘区六甲台町1-1 TEL&FAX:078-803-1296
    E-MAIL:
キーワード インターフェース、波形解析
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
MS-DOS用の波形解析プログラム(SP)をWindows95に移植した。 その効果としては、すべての操作をマウスのみで行うことがで き、データ量に関わらず複数のデータを同時に扱うことができ るようになった。
環境 適応機種名 486DX4以上のCPUを搭載したウインドウズマシン
OS 名 Windows95
ソース言語 Object Pascal(Delphi2.0)
周辺機器
流通形態
右のいずれ
かに○をつけ
てください)
  • 化学ソフトウェア学会の
    無償利用ソフトとする
  • 独自に配布する
  • ソフトハウス、出版社等から市販
  • ソフトの頒布は行わない
  • その他
  • ○未定
具体的方法

1 はじめに

 すでに宮田らによって開発されていた様々なスペクトルデータ(赤外、紫外、可視)の波形処理を行うためのプログラム(MS-DOS用)1)を、今回はWindows95上 で動作することができるように移植した。
 本プログラムでは、以前のMS-DOS版に比べ、メモリによる制約がほとんど無くなったので、扱うことができるファイルのサイズが大きくなった。より操作を簡易化するためにすべての操作をマウスによって行うことができるようにした。ウィンドウズの特色である、マルチウィンドウシステムによって複数のデータを同時に扱うことができるようにし、それらを比較検討しつつ波形解析できるようにした。

2 プログラムの概要

 本プログラムはWindows95用アプリケーションとして動作し、すべての操作をプルダウンメニューの各コマンドをマウスでクリックすることによって行うことができる。
2.1 ファイルグループ
 ファイル(解析すべきデータ)のロード、セーブができ、また、解析結果の印刷を行うことができる。また、ファイルをロードした時点で自動的にCRTに波形が表示される。その際に、表示に必要な各種パラメータを任意に設定することができる。
2.2 波形分離グループ
 2次微分、3次微分等の波形分離を行うことができる。その際、スプライン法(SP)、サヴィツキー・ゴーレイ法(SG)の選択や、シンプレックス法によるデータの最適化、ピークの修正、近似のモデル関数(ローレンツ関数、または、ガウス関数)による再計算、等の操作をおこなうことができる。
2.3 差スペクトル
 任意の二つのウィンドウ(データファイル)間での差スペクトルを演算することができる。
2.4 ウィンドウ
 アクティブウィンドウや、演算に使用するウィンドウ(ファイル)の選択や、ウィンドウの並べ方の設定をすることができる。 
2.5 ツール
 リスト出力や、画面の表示形式や、環境の設定をすることができる。
2.6 ヘルプ
 本プログラムの使い方の説明を、オンラインマニュアルを開いて検索することができる。

3 おわりに

 MS-DOSからWindows95の時代に変わって、CPUの性能が大幅に向上したことにより、演算にかかる時間が極めて短縮された。さらに、メモリの制約がほとんどなくなったことにより、扱うことのできるデータファイルのサイズも増大した。
 今後の予定としては、実際に研究に使用し、それによって出てくる問題点を解決し、さらに使いやすいプログラムへと改良を進めていきたい。


    図 データ表示画面の例

参考文献

1) 宮田 壽、徳田省二 触媒 Vol.30 No.4 p.311 (1988)