演題 分子の電子図鑑の研究開発 -身のまわりの化学物質編-
発表者
(所属)
獅々堀 彊, 小林 良二  (香川医科大学医学部化学)
連絡先 〒 761-07 香川県木田郡三木町池戸1750-1
キーワード 化学物質,分子モデル,CAI
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
 身近で目にする様々な物がどのような分子で構成されているのか,についての学習を支援するためのソフトである。種々の化合物について,簡単な解説とともに,関連する静止自然画像,分子モデル(空間充填型,球棒型)を選択して表示させることができる。
環境 適応機種名 NEC PC-98, DOS/V   
OS 名 WINDOWS 95   
ソース言語 VISUAL BASIC ver.4.0   
周辺機器   
流通形態
右のいずれ
かに○をつけ
てください)
  • 化学ソフトウェア学会の
    無償利用ソフトとする
  • 独自に配布する
  • ソフトハウス、出版社等から市販
  • ソフトの頒布は行わない
  • その他
  • ○未定
具体的方法

1.はじめに

 我々の生活は,今日,非常に多種の天然あるいは合成の化学物質によって支えられている。日常使用している物品がどのような化学物質からできており,化学物質のもつ特性をどのように利用しているのかについての理解を社会一般が高めていくことは,その物品を正しく有効に使用するために必要なばかりでなく,資源の問題や廃棄物の問題の解決に社会的なコンセンサスを形成するためにも重要である。我々は,今回,日常的に使用している物品や,身近で目にする自然物などの画像と化学物質とを結びつけたソフトを試作した。これによって,我々の生活と化学物質が果たしている役割が,より視覚的に,より親しみやすく理解できるようになるものと期待される。

2.プログラムの概要

 本ソフトは,図1および2に示すように,いわば化学物質のカード型ミニ図鑑といったものである。ソフト(ZUKAN)を起動し,データファイル名(zukan1)を入力すると,レコード1の画面が表示される。次頁キーを押すと,レコード番号の順に化合物名や性質などの簡単な説明が表示される。自然画像キーを押すと,その化合物に関連する静止画像が表示される(図1)。充填モデルおよび球棒モデルキーによって,それぞれ対応するモデルを表示できる(図2)。zukan1 には,食べ物,嗜好品,衣類,日用品,住まい,家庭薬,燃料,植物,動物などのデータが登録されている。身の回りで日常目にする様々な物がどのような分子で構成されているのか,またはどのような分子を含んでいるのか容易に学習することができる。このソフトで自作のデータファイルを作成する場合, ソフト(ZUKAN)を起動し,適当なデータファイル名を入力すると,レコード1の画面が表示されるので,各項目についてデータを入力する。画像ファイル(.bmp)は別に,用意する必要がある。


図1 レコード9 メントールの画面において,自然画像キーを押した場合の表示例.


図2 レコード5 ジンゲロンの画面において,球棒模型キーを押した場合の表示例.