演 題 |
MCBD 法による電解質溶液のシミュレーション
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発表者 (所属) |
吉田真史(武蔵工業大学)
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連絡先 |
〒158-8557 東京都世田谷区玉堤1-28-1 武蔵工業大学工学部
TEL: 03-3703-3111(ex2392) FAX: 03-3323-7576
E-mail: |
キーワード |
Brownian Dynamics, Monte Carlo Simulation, Electrolyte Solution
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開発意図 適用分野 期待効果 特徴など |
MCBD (Monte Carlo Brownian Dynamics) 法により、電解質溶液の溶質イオンの運動を再現し、生体高分子の物性・動的挙動を考察することをめざす。
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環 境 |
適応機種名 |
Unix WS
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O S 名 |
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ソース言語 |
Fortran 77
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周辺機器 |
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流通形態 |
- 化学ソフトウェア学会の無償利用ソフトとする
- 独自に配布する
- ソフトハウス,出版社等から市販
- ソフトの頒布は行わない
- その他:未定
| 具体的方法
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1.序論
水溶液中における生体高分子の高次構造や外場応答の解析には、電気複屈折や誘電分散などの電気光学的測定が利用されており、その基礎となるイオンの動的挙動を理解する手段として計算化学的手法に期待が集まっている。Monte Carlo Brownian Dynamics (MCBD) 法1, 2 は、溶液中のイオンの運動をマイクロ秒領域で解析することが可能であり、高分子電解質溶液の外部電場応答3, 4、分極率異方性5, 6, 7の解析 などに利用されている。本研究では、生体高分子水溶液の電気伝導度をMCBD法により求めることを試みた。
2.計算方法
MCBD法は、次のようなLangevin 方程式にしたがう溶質イオンの運動を、摩擦力 g が十分に大きいとした Smoluchowski 近似で再現するものであり、そのアルゴリズムは Metropolis Monte Carlo 法8を基礎としている。
ここで、U はイオン間の静電相互作用、外部電場などによるポテンシャルの総和である。
3.結果
生体高分子水溶液のモデルとして、負に帯電した球状ポリイオンと64個のNa
+からなる系の電気伝導度を求めた。シミュレーションには、Figure 1 のような立方体セルをもちいた。このとき、ポリイオンはセルの中央に固定し、対イオンの移動速度から電気伝導度を計算した。Figure 2 はポリイオン半径 R の異なる2つの系について、電気伝導度の濃度依存性を示したものであり、溶液濃度が高いほど、ポリイオン半径が小さいほど、電気伝導度が小さくなることがわかる。このことは、ポリイオン表面への対イオンNa
+の吸着によって電気伝導に寄与する対イオン数が変化することを反映している。
Figure 1 Simulation cell for a model spherical polyelectrolyte . Polyion is fixed at the center. |
Figure 2 Concentration dependence of electric conductivity. |
4.参考文献
1) Kikuchi, K.; Yoshida, M.; Maekawa, T.; Watanabe, H. Chem. Phys. Lett. 1991, 185, 335-338.
2) Kikuchi, K.; Yoshida, M.; Maekawa, T.; Watanabe, H. Chem. Phys. Lett. 1992, 196 , 57-61.
3) Yoshida, M.; Kikuchi, K. J. Phys. Chem. 1994, 98, 10303-10306.
4) Yoshida, M.; Kikuchi, K. J. Phys. Chem. 1992, 96, 2365-2371.
5) Washizu, H.; Kikuchi, K. Chem.Lett. 1997, 651-652.
6) Washizu, H.; Kikuchi, K. Colloids Surfaces A: Physicochem. Eng. Aspects 1999, 148, 107-112.
7) Washizu, H.; Kikuchi, K. Chem. Phys. Lett. 2000, 320, 277-281.
8) Metropolis, N.; Rosenbluth, A.M.; Rosenbluth, M.N.; Teller, A.H.; Teller, E., J. Chem. Phys. 1953, 21, 1087.
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