演 題 |
インターネットによる化学計算演習の教材開発
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発表者 (所属) |
○馬上免高徳,蘆田昇*,吉村忠与志
(福井高専 物質工学科,*電子情報学科)
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連絡先 |
〒916-8507 福井県鯖江市下司町 16-1
TEL/FAX:0778-62-8292
E-mail: |
キーワード |
インターネットWWW,化学計算演習,CAL教材開発
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開発意図 適用分野 期待効果 特徴など |
インターネット普及の情報社会の中で,以前フロッピー(FD)教材として発行した「パソコンによる化学計算入門」をインターネット
利用できるようにシステム開発を行ったものである.化学教材がインターネット上で公開され,一般に利用されることは化学教育に貢
献するのみならず,インターネット教材の発展に寄与するものである.
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環 境 |
適応機種名 |
開発は,PowerMacintosh 7600/200.使用はインターネット利用の機種でよい.
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O S 名 |
サーバーはWebSTAR2.0Jで行っている.使用はWWWブラウザでよい.
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ソース言語 |
HTML
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周辺機器 |
特になし
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流通形態 |
- 化学ソフトウェア学会の無償利用ソフトとする
- 独自に配布する
- ソフトハウス,出版社等から市販
- ソフトの頒布は行わない
- その他:インターネットで公開
| 具体的方法
http://bigjohn.ce.fukui-nct.ac.jp/CHEMICAL/
インターネット公開中
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1.緒言
インターネット普及の情報社会の中で,いろいろな教育のためにインターネット利用の教材が開発され,インターネット上で公開され始めている.我々は,物理化学実験の事前学習のためにCAL(computer-aided learning)システムを開発してインターネット上で公開し,教育現場で実践利用を行ない,実績を上げている(http:// bigjohn.ce.fukui-nct.ac.jp/CHEMICAL/).このシステムは,学生個人が物理化学実験20テーマから課題を選択して,好きな時間にどこからも事前学習ができるように準備されている.
上記のコンセプトを踏まえて今回は,以前フロッピー(FD)教材として発行した「パソコンによる化学計算入門」をインターネット
利用できるようにシステム開発を行ったものである.
2.実験と結果
本研究で使用したハードウェアは,Power Macintosh7600/200をサーバーとして,ソフトウェアは,WebSTAR2.0Jである.
図1は本研究で開発した化学計算演習システムの表紙である.本システムの教材構成は,6章仕立てで,次のようなものであり,出展本の内容をほぼ忠実に採用している.
第1章 物質の量と単位
第2章 期待の取扱い
第3章 水溶液の取扱い
第4章 物質の変化
第5章 物質収支およびエネルギー収支計算
第6章 化学の数値計算
これらの章ごとに化学計算の演習問題を準備している.本システムでは,第0章を設けて,システムの操作方法を記載した.
CAL教材の作成には,蘆田が開発した講義概要検索機能と演習問題支援機能を有するOS-NetCAIシステムを本研究用に改良して使用した.化学計算問題は,ワープロで作成したものをHTMLファイル作成支援ツールによって問題ごとにHTMLファイルを作成する.このHTMLファイルが自動生成されるもので,労力的にも,また時間的にも負担が軽減できた.
化学計算問題システムは,問題の出題,解答方法,解答に対する採点処理と助言メッセージ,及び正解表示の機能が準備されている.特に,問題の解答方法には,多岐選択問題(解答群から適切なものを選択する)と,穴埋め問題(適切な数値で答える)の2つの形式を採用した.図2に適切な数値で答える穴埋め問題の事例を示す.図2のような問題提示において演習問題番号も表示した.この問題の場合,解答の数値が180という正解に対して小数点以下の桁数3では180.157でも正解であり,正解の表示と助言メッセージの表示には工夫を行った.
3.考察と課題
本システムは,出典本の問題をなるべく忠実に版を起こしてインターネットで利用できるようにしやものであり,改善する余地は多々あるものと思われる.事実,FD供給でのN88BASIC言語での本システムでは,動きのあるアニメーション機能を有していたが,現システムでは諸問題が解決できずまだ実現していない.これをWWW上で公開することにより,より多くの方々の校正に期待して教育的に価値あるものとしたい.
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