(Received: July 18, 2001; Accepted for publication: November 28, 2001; Published on Web: February 6, 2002)
2層式光化学電池(Figure 1)の仮想シミュレータをVisual Basicを用いて作成した。この仮想デバイスにより、光照射開始時から定常電流値になるまでの応答速度から、電荷分離速度(kd)および再結合速度(kr)を算出することが可能であることが示された(Figure 3)。また、層の厚さを変えて、on-off応答を測定することにより、電荷分離領域の幅を推定できることが示唆された(Figure 4)。光電池の性能を向上させるためには拡散係数の向上だけでなく、光電荷分離効率の向上が重要であることが示された(Figure 5)。[Ru(bpy)32+]を増感剤、Prussian Blueをメディエータとして用いると、短絡光電流3mA/cm2、開放起電力0.15Vの光電池となることが明らかとなった。作用スペクトル測定(Figure 7)により、[Ru(bpy)3]2+が増感剤として機能していることが示された。仮想デバイスによるシミュレートの結果、kd= 5 × 102 mol-1cm3s-1、kr = 6 × 109 mol-1cm3s-1と算出された。
キーワード: Bipolar photogalvanic cell, Virtual device, Simulation, Methylviologen, Tris(bipyridine)ruthenium