反応または薬物速度論の流体力学モデル − そのコンピューターシミュレーション

菅田 節朗*, 阿部 芳廣

共立薬科大学, 〒105-8512 東京都港区芝公園1-5-30
*e-mail:

(Received: August 21, 2000; Accepted for publication: September 29, 2000; Published on Web: November 20, 2000)

  反応速度論または薬物速度論を流体力学モデルにより学ぶことの利点は、水位差が流体力学モデルの駆動力になっているということ、毛細管でつながった2容器間の水位が等しいことは平衡を意味しているということ、一つの容器に出入りする水の流速が等しいとき定常状態が現れるということ等が容易に体験できることである。本報告では、反応速度論または薬物速度論の代表的な線形モデル6例の流体力学モデルをパソコン上でリアルに自在に再現(シミュレーション)した。いずれの例でも流体力学モデルの利点がよく表現できた。特に、可逆系を含む薬物速度論モデルである2−コンパートメントオープンモデルの理解にきわめて有用であることがわかった。さらにパソコン上では経時変化のグラフ等を同時に描けるのでよりよい教育効果が期待できる。

キーワード: Chemical kinetics, Pharmacokinetics, Hydrodynamic model, Computer simulation


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