(Received: November 29, 1999; Accepted for publication: December 27, 1999; Published on Web: April 10, 2000)
大規模分子軌道計算ための初期分子構造パラメータを簡便に得るために、拡張ヒュッケル法で用いられるスレータ軌道のイクスポーネントを水素、炭素、窒素、酸素について求めた。また、全エネルギーのみを用いて分子構造パラメータを最適化するプログラムを開発した。これを用いると、炭化水素分子の分子構造パラメータを実験値と10%程度の誤差で得ることができた。
拡張ヒュッケル計算では、計算時間の99%以上が行列要素の生成と対角化に用いられるため並列計算の効果が大きい。そのため、メッセージパッシングライブラリMPIをもちいて並列化された対角化のルーチンをもちいたプログラムの並列化を行った。DEC Alpha2116A/533MHz8台のPCクラスタを用いたDNAのHelix構造 (115原子:286次元 )分子の構造最適化を実行したところプロセッサ数8台まで90%以上の並列化効率が得られた。
キーワード: Extended Huckel method, Molecular Geometry Optimization, Matrix Diagonalization, Parallel Processing, PC Cluster