(Received: June 11, 1997; Accepted for publication: October 13, 1997 ; Published on Web : November 26, 1997)
SiO2、TiO2、ZnO、MnO、MgOおよびCdOの6種類の酸化物上でのエタノールの脱水・脱水素反応機構をDV-Xα法により検討した。表面エトキシドを経由する機構およびEuckenらが提唱する表面金属原子および酸素原子とエタノールとが相互作用する機構の遷移状態モデルの計算を行った。
その結果、表面エトキシドを経由する反応機構は、実際の実験結果に照らして、Euckenらが提唱する反応機構より合理的であることが判明した。また、塩基点による表面エトキシドからのβ水素の引抜きが脱水反応の律速段階であり、その難易が触媒の脱水・脱水素反応選択性を決める要因のひとつであると推定した。
Keywords: DV-Xαmethod, Ethanol, Dehydration, Dehydrogenation, Oxide catalyst, Reaction mechanism