金属酸化物表面上のBroensted酸点およびLewis酸点と エタノールとの相互作用のDV-Xα法による検討

篠原祐治*1, 里園 浩*2, 中島 剛*1, 鈴木 哲*1, 三島彰司*3

*1 信州大学工学部物質工学科 〒380 長野県長野市若里 500
*2 株式会社 分子バイオホトニクス研究所 〒434 静岡県浜北市平口 5000
*3 信州大学地域共同研究センター 〒380 長野県長野市若里 500
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(Received : April 25, 1997 ; Accepted for publication : August 25, 1997 ; Published on Web : September 24, 1997)

 7種の金属酸化物(SiO2-Al2O3、SiO2、TiO2、ZnO、MgO、MnO およびCdO)表面上のBroensted 酸点(表面ヒドロキシル基)およびLewis 酸点(表面金属イオン)とエタノールとの相互作用を、DV-Xα法により検討した。これらの酸化物は、P. Sabatier / A. Mailhe (1910年)により報告されているエタノール脱水・脱水素反応選択性についての触媒序列の中から選択された。
 表面Broensted 酸点とエタノールおよび表面Lewis 酸点とエタノールからなるモデルについて、それぞれ DV-Xα 法により計算した結果と実験的に決定された脱水反応選択性とを比較することにより、エタノールが Broensted 酸点と強く相互作用する場合にはエタノールの酸素にプロトン付加が起こること、また、この付加によりエタノールの電子状態が脱水反応に好ましい状態に変化することを結論した。これらの結果は、酸化物触媒上でのエタノールの脱水反応が E1 機構で起こることを支持している。

Keywords: DV-Xa method, Ethanol, Dehydration, Dehydrogenation, Broensted acid site, Lewis acid site


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